スタッフ笹森です。
神奈川県における経審確認書類についてまとめていきたいと思います。
今回は、「工事裏付け資料」について、その内容や注意点をわかりやすく解説します。
1. 工事裏付け資料とは?
経審では、過去の工事実績を証明するために「工事裏付け資料」を提出する必要があります。これは、「実際に工事を請け負い、完了したこと(進行基準の場合は完了予定)」を示す書類です。
主な工事裏付け資料
・ 工事請負契約書(または注文書)
・ 請求書 + 入金が確認できる書類(領収書・通帳のコピー など)
・ 工事内訳書・見積書 ※必要に応じて提出
2. 工事裏付け資料の確認ポイント
① 工事請負契約書の準備
決算変更届の工事経歴書記載の請負金額順上位3件(3件に満たない場合はすべて)について提出します。契約書には、次の内容が含まれていることを確認しましょう。
・ 工事名(具体的に記載)
・ 請負金額
・ 契約日
・ 発注者・受注者の名前・押印
・ 工事の内容(業種が明確にわかること)
② 入金確認書類の準備
契約書がない場合、請求書+入金確認ができる書類をセットで提出します。
▼入金確認書類の例
・ 領収書
・ 銀行の通帳コピー(入金が確認できる部分)
※電子契約の場合
「電子契約のため印影なし」とコメントを入れて提出しましょう。
③ 工事内訳書・見積書の準備(必要な場合)
審査対象業種の工事であることが不明確な場合は、工事内訳書や見積書を用意します。
▼特に必要になりやすい工事
・A邸工事、改修工事、改築工事、補修工事など業種が不明な工事名のもの
・ 機械器具設置や電気・空調・消防設備等の製品名のみが記載されているもの
・ 「〇〇維持管理工事」「〇〇調査工事」など、委託業務と区別がつきにくいもの
・ 解体工事・撤去工事など対象物が不明な場合
・工事名と発注業種が一致しない場合
3. 工事裏付け資料の書き方・提出方法
① 契約書などの右上に「業種・番号(請負金額順の通し番号」を記入します。
▼記入例
・ 土木一式工事の請負金額順3番目の契約書 → 「土-3」
・ 建築一式工事の請負金額順2番目の契約書 → 「建-2」
② JV(ジョイントベンチャー)の場合
JV(共同企業体)で受注した工事の場合は、出資比率がわかる協定書も一緒に提出します。
4. 工事実績に含められない業務
経審では、「建設工事」に該当しない業務は完成工事高に含めることができません。建設工事に該当しない売上が完成工事高に含まれていた場合は、決算変更届を正確なものに差し替え、経営状況分析の審査を再度行う必要があるので注意が必要です。
▼含められない業務の例
・ ガス・空調・消防設備などの保守、点検、管理業務
・ 公園・緑地の維持管理業務
・ 土砂の運搬業務
・ 道路の清掃業務
・ 測量・設計・調査(埋蔵文化財発掘など)
ポイント
工事実績として認められるのは、「建設工事の完成を請け負った売上」です。
5. まとめ:審査前のチェック
・ 工事請負契約書を準備する(業種が明確かチェック)
・ 契約書がない場合は、請求書+入金確認書類を用意
・ 審査対象業種の工事であることを確認(必要なら工事内訳書を追加)
・ 契約書の右上に業種・番号を記載
・ JVの場合は協定書も忘れずに提出
・ 工事実績に含められない業務に注意
行政書士法人ブリジアスは、神奈川県内全域の建設業者様のサポートをしております。次回の格付けに向けたご希望がある方はぜひご相談ください。経審の申請や入札参加資格の申請はもちろんのこと、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録や経審点アップの取り組みについても最大限ご支援いたします。