令和3年4月の経審改正から新たに評価項目となったCPDについて解説します。
W10が新設
その他の審査項目(W)の中に、W10が新しくできました。
雇用する技術者・技能者の知識・技術・技能の向上に努めている企業を評価する項目となってており、具体的には、技術者点をCPDで評価、技能者点を建設キャリアアップシステムのレベルアップで評価となっています。
技術者点 | 認定されているCPDプログラムで、技術者1人あたりが1年間に取得したCPD単位数を元に評価 |
技能者点 | 審査基準日前3年間でレベル2以上にアップした技能者の雇用状況を元に評価 |
技術者と技能者の違い
W10が新設されたことにより、技術者と技能者を明確にしなければならない場面が増えてきました。
技術者とは、施工管理を行う者であり、直接的な作業は基本的には行いません。
技能者とは、建設工事の直接的な作業を行う、技能を有する労働者のことです。ただし技能者であっても、例えば10年以上の実務経験を有するなどの要件を満たせば技術者としての資格を得ることもできるため、1人の方が技術者であり、技能者である、ということはあり得ます。
CPDは技術者について加点される
経審では技術者(技術職員名簿に掲載する方+技術職員名簿に掲載しない技術者の方)について、CPD単位をどれだけ取得しているか、を審査します。技術者であり技能者である方も審査対象となります。
CPDとは
CPD=技術者の継続教育 です。
学会や業界団体で継続教育の認定をしており、認定を受けた講習会等を受講し、申請をするとCPD単位を取得することができます。
CPD認定団体は27あり、そのいずれかから単位を取得することになります。
経審で気を付けること
新設された制度のため、令和3年6月時点ではまだ申請実績が少ないと思われますが、現時点で分かっている留意点をご説明します。
1.【1単位】の重みが認定団体ごとに異なる→換算必須!
例えば、同じ講習を受けたとしても、団体Aと団体Bとで取得できる単位が異なります。
このズレをなくすため、経審の際には取得したCPD単位のまま申請するのではなく、以下の計算式で算出される数値としています。
そしてこの告示別表第18が以下の通りです。
例えば、監理技術者講習を受けた際、土木施工管理技士会で認定される単位数は12ですが、経審で記載するときには、12÷20×30=18単位となります。
取得した単位をそのまま考えるのではなく、上の式に当てはめて換算しておきましょう。
2.上限は1人30単位
経審では、各技術者のCPD単位の上限を30としています。
この「30」という数字は上の計算式で換算した後の数字です。
3.審査基準日前1年間に認定された単位数で判断
1年間で何単位取ったかですので、毎年この加点を得ようと思うと正に継続的に単位取得をしなければなりません。
どれくらい加点されるか
W10の満点は、P点(経審点)で14点となります。W10をしっかりとることができれば、業種関わらず14点アップするという大きな加点となります。
しかし、W10の計算は非常に複雑です。理由は、技術者点と技能者点で決まるためです。
CPD単位で技術者全員が上限まで取得したとしても、技能者のレベルアップした方の割合によって満点14点は取れない場合があります。技術者、技能者両方の在籍がある会社様は、W10については他のZ点(技術者加点)も踏まえて入念なシミュレーションをする必要があります。
CPDによる加点を最大化することを考えますと、以下の通りになります。
★技術職員名簿に掲載される方は、1年間で30単位を毎年取り続ける
★途中入社の方は期間が短くなるものの最低6ヶ月はあるはずなので(6ヶ月超在籍の方のみ技術職員名簿に掲載できるため)その間にできるだけ30単位取る
★10年の実務経験を新たに満たすようになり技術職員名簿に掲載する方についても同様にCPD単位を取る
ご登録の支援をしています
ブリジアスでは、CPDを新たに登録する手続きのご支援をしています。実績があるのは下記2団体です。
- 一般財団法人建設業振興基金
- 一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会
CPD単位を取得するための登録がお済みでない方は、ご相談くださいませ。
>>行政書士法人ブリジアスHP【CPD・CPDS各種申請代行】