非常によくお問い合わせいただく質問です。事例も交えながら解説します。
「1級資格者がいると何点アップするのか」の答え
身も蓋も無い回答になりますが、正解は 状況による となります。
つまり1人増えると〇点アップする、というように、1名あたりの対する加点幅の設計になっていないということです。
どういうことかといいますと、下記のような複雑な計算式によって技術者加点が算出されているためです。
(「計算式までは結構!」という方は、★まで読み飛ばしてください!)
技術者加点ってどうなっているの?
技術者の加点は、【技術力評点】の中の一つです。このようになっています。
技術力評点(Z点)=
0.8 × Z1(技術職員数値の評点) + 0.2 × Z2(元請完工高の評点)
《ステップ1》技術職員数値の評点を下記の表から求める
1級技術者 | 監理技術者補佐 | 基幹技能者 | 2級技能者 | その他 | |
監理技術者資格者証保有かつ監理技術者講習受講 | 1級技術者であって左以外の者 | ||||
6点 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
(例)
1級技術者で監理技術者資格者証保有かつ監理技術者講習受講者:2人
監理技術者補佐:1人
2級技術者:2人
→ 6点×2人+4点×1人+2点×2人=【20】
《ステップ2》Z1評点を下記の表に当てはめて求める
先ほどの(例)だと、62×【20】÷10+636=760
《ステップ3》技術力評点を求める
先ほどの
技術力評点(Z点)
= 0.8 × Z1(技術職員数値の評点) + 0.2 × Z2(元請完工高の評点)
に当てはめるると、
技術力評点(Z点)
= 0.8 × 760 + 0.2 × 元請完工高の評点
となります。
《ステップ4》経審点=P点に換算
Z点が出たところで、それに0.25を掛けた数値が経審点となる数字になります。
複雑ですね!
技術職員の多さにより加点幅が異なる ★ここから
上記では一例で計算してみましたが、
更に例えば1級資格者(監理技術者証なし)を1人増やしてみますと、経審点換算で約6点アップしますが、10名増やすと約53点アップします。こうなってくると1名あたりの加点幅は6点から5点に減ってきます。人数が多くなってきますと更に加点幅は小さくなります。
こういうことが理由で、1名あたり何点アップする、ということが状況により異なってきます。
また他にも影響を及ぼすこととして、下記に注意が必要です。
注意点① 2級の方が1級になるのか、1級の方を新規に採用するのか
元々技術職員としてカウントされていた方が上位の資格を取ったのであれば、2級資格の分がマイナスされ、1級資格の分がプラスされます。
新たに1級の方を採用されたのであれば、丸々プラスとなります。
注意点② 採用タイミングに注意
他の技術職員の方の数を把握している場合であれば「1級の方が入ったけど何点上がる?」というご質問に対して、何点プラスになるかもちろん回答が可能です。
しかしよくあるのが、採用から6ヶ月経っていないため、次の経審では加点にできない、というケースです。
採用のタイミングによりますのでやむを得ないケースも多々ありますが、「採用できた!」→「次の経審では加点できる!」となるとは限らないということです。
技術職員として加点できるのは、入社してから6ヶ月と1日が経過してからです。もし入社のタイミングを調整できる方であれば、このことを意識してみることをお勧めします。
こちらの記事でも技術者加点を詳しく解説しています。
>>【経審点アップ】技術者加点を確実に取る!