【徹底解説】経審の点数を上げるためにまずは確認したい5つのポイント

経審の点数を上げたいときに必ずチェックしたいポイントを5つにまとめました。

 

1.経審点の構造を大体わかっておこう

細かい計算のことは私たちにぜひお任せいただきたいのですが、「こういう構成で点数が成り立っているのか」ということを押さえておくことは、点数アップ対策をしていく上でとても大切です。ざっとおさらいしてみましょう。

 

経審点はP点と言います。このP点は、下の5つの要素から成り立っています。

【5要素:X1・X2・Z・Y・W】 

 

X1、X2、Z、Y、Wという5つの要素それぞれの点数に0.15や0.25などの掛け率を掛けて、合算してP点になります。

P点=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.2+Z×0.25+W×0.15

 

下の図は経審を受けた後に届く経審結果通知です。


この経審結果はインターネット上で公開されている情報で、どなたでも見ることができます。点数が高い他社さんはどの部分が良くて点数が高いのか、経審の構造が分かっていれば大体分析することができます。そのことによって、取り組むポイントも見えてくることがあります。

 

2.W点はしっかり取れていますか?

点数アップを考えたら、まず何よりW点から考えます。何故かというと、1項目あたり+21点というところもあり、大幅な点数アップが期待できるからです。

 

私たちはまず、そこから確認します。

先ほどの図の右側、ピンクの枠の部分がW点の内訳の部分です。

 

更に細かく見てみましょう。

 

上のピンクの枠のW点をズームすると…こんな感じ。

 

まず、赤枠の社会保険加入について。ここは全部【有】でないといけません。

加入していないと減点になります。H30.4には経審の改正もあり、これまでは「合計点が0に満たない場合は0とみなす」措置だったところ、下限は撤廃され、W点の最低点は-1995点となることになります。したがって、この3つの保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)は加入必須です。

 

そして青枠の3項目について。ここが重要です。

  1. 建退共加入の有
  2. 退職一時金制度等の有無
  3. 法定外労災加入の有無

それぞれP点(経審点)に換算した時、+21点となり、非常に大きな加点となります。それぞれコストがかかるものではありますが、今後の公共工事、福利厚生、危機管理といった側面からも重要な要素であるためにここに位置付けられています。

 

また、この3項目を【有】にするメリットは、経審を受けようとする全業種にプラスになるということです。あとで出てくる完工高や技術者の評点は、その業種に対してしか加点になりません。しかしこのW点は、すべての業種に等しく加点されます。「土木も舗装も水道も上げたい!」というときに、一気にベースアップを図れる可能性があります。

 

現状で【無】となっている会社様は、まずここから取り組みます。

>>建退共で確実に加点を得るためには

>>中退共か、就業規則に定める退職金制度か

>>労災の上乗せによる加点を得るためには

>>2級建設業経理士がいると何点アップするのか?

 

加点を維持し続けるために

これらの制度は加入すればOKではありません。

建退共は証紙を購入したり、手帳を更新したりしなければいけません。上乗せ労災は毎年契約更改が。

毎回の経審で、経審を受ける基準日となる決算日時点でこれら制度に加入しているかが審査されます。決算月の頭には証紙購入や更新、法定外労災など、問題なく運用しているかをチェックしましょう。

 

3.完工高の平均はどうやって選びましたか?

完成工事高は多い方がより点数が高くなりますが、選び方はやや複雑です。

 

年度による点数のバラつきを無くすために、完工高は2年平均か3年平均のどちらかを採用することになっています(激変緩和措置といいます)。「今年は大きな工事がたくさん終わって完工高が高いから、今年のだけで出したい!」と希望してもそれは出来ず、必ず2年平均か3年平均を採用するルールです。

 

2年平均か3年平均の有利な方を出せばよいので、平均値を取って高い方を出せばOKです。

 

例えば、

直前決算の完工高:6,000千円
前期決算の完工高:3,000千円
前々期決算の完工高:4,000千円

だとしたら、

(2年平均)6,000+3,000/2=4,500
(3年平均)6,000+3,000+4,000/3=4,333

となり、2年平均の方が高くなります。なので、2年平均を採用します。

 

シンプルではないケース

「高い方を選べばよい」というとても簡単な話なのですが、複雑な場合もあります。

 

例えば、複数業種の経審を受ける時

1業種だけなら、その業種のことだけ考えればよく、高い方を選べばよく、とってもシンプル。

 

しかし例えば3業種受ける時、そのうち本命の1業種は2年平均の方が高く、ほか2業種は3年平均の方が高い。こうなったときに困ります。

 

2年か3年かという選択は、すべての業種に対して一括で反映れます。土木は2年、舗装は3年、ということは出来ません。

 

また、元請・下請合算の完成工事高は2年平均が高いけど、元請完成工事高は3年平均が高い、といったようなケース。元請完成工事高は特別に別の評価項目で評価され、高い方が良いです。どっちを選べば全体の点数が上がるのか、一見して分からないこともあります。

 

ではどうするのかというと、徹底したシミュレーションです。

  • 格付点数を見て、最低限キープしなければならない業種を決める
  • 主観点を加えたときに、どれくらい余裕があるかを算出する
  • それぞれの業種で、どちらを選べば何点違うのかを1点単位で出す

 

結果を見てから「やっぱり間違えました!」ということが出来ない選択。色々な角度から考えて、より有利な方を選んで申請してください。

 

2年平均か3年平均かは、毎回の経審の都度、選んでいただくことができます。

 

他に気を付けなければいけないこと

完工高は確かに高い方が良いのですが、完工高を上げようとして利益が薄い工事や赤字になるような工事を受注してしまうと、財務内容に悪影響を及ぼし、全体としてマイナスに働くこともあります。利益が等しく上がっているとするなら、完工高は高ければ高い方が良いです。

 

4.技術者は漏れなく加点になっていますか?

技術者についてのチェックポイントです。

ここを見ます。

 

(1)一級だけど講習受講加点がついていないケース

このように欄があります。

  • 一級
  • (講習受講)
  • 基幹
  • 二級
  • その他

 

ここは在籍している技術者の方がお持ちの資格や実務経験によって加点になる項目です。点数の高さは、上の方が高くなっていますが、気を付けなければいけないのは、(講習受講)のところ。

 

これは監理技術者講習のことを指しています。一級資格を持っている方に限定されますが、監理技術者証を持ち、かつ監理技術者講習を受けている場合に、更に加点になる項目です(どちらも審査基準日時点で有効期限内のものが必要)。

 

よく、一級の欄に書いてある人数と、(講習受講)の欄に書いてある人数が異なることがありますが、これは一級資格を持っているにもかかわらず、有効期限内の監理技術者証や監理技術者講習修了証を持っていないということになります。

 

1日講習を受け、事務手続きをすれば加点がとれる項目なので確実に取りたいところです。

 

また、監理技術者証も監理技術者講習も有効期間は5年間ですが、審査基準日=決算日時点で有効なものを持っている必要があります。決算が終わって経審の手続きをするときに「切れてる!」と発覚することもしばしば…そうならないために、適切な期限管理を行うようサポートしています。

 

(2)正しく反映されていないケース

例えば上位資格を取得したのに経審に反映されていない、あるいは実務経験者であるにもかかわらず経審でカウントされていないといったこともあります。

 

すべての従業員の方について毎年見直し、現状をきちんと反映させることが大切です。

 

5.決算書を照らし合わせる

ここが、一番テクニックが要るところかもしれません。

 

決算内容が反映されるのは、この部分です。

Y点は財務内容のみを点数化した部分で、国に登録している経営状況分析機関が分析を行い、他の項目とは別に点数を出しています。

 

(1)決算書がどう使われているのか

経審の手続きの中に「決算変更届」という手続きがあります。これは、決算が終わったあとに、この1年間どんな工事をして、どんな財務内容だったかを許可行政庁に報告するものです。

 

このとき、財務諸表を作成します。中身は、貸借対照表、損益計算書、原価報告書など。「税理士さんが作ってくれるやつね!」と思われるかもしれませんが、少し違います。

 

税理士さんが作成した財務諸表をベースとして、建設業法施行規則にのっとった形式に作り替えたもの、これが建設業法における財務諸表です。決算変更届にはこの「作り変えた財務諸表」が必要です。その後の、経審のY点を決める経営状況分析申請にも、この「作り変えた財務諸表」が必要です。

 

(2)そのまま転記すればよいのでは

一度でも、税理士さんが作成した財務諸表から、建設業法の財務諸表に作り替えたことがある方は「大体転記していけば良いのでは?」と思われると思います。

 

確かに、勘定科目は似ているものが多いですし、大体同じ言葉のところにその数字をいれていき、数字を合わせれば何となく完成してしまいます。

 

しかし正しい記載ではないことがとても多いです。

例えば…

  • 売掛金をそのまま「売掛金」として書いていませんか?
  • 買掛金をそのまま「買掛金」として書いていませんか?
  • 前受金は?仕掛品は?
  • 原価の中に現場の管理を行った方の人件費は正しく入っていますか?

建設業会計にとって正しい記載をするには、単なる転記では間違えていることが多いです。

 

(3)経審を受けるならもっと注意深く見る

経営状況分析点であるY点の計算式はとても複雑です。しかし、どこをどうすれば点数が上がりやすいかというポイントがあります。

 

├雑収入の中に利息は入っていませんか?

受取利息と支払利息の比率で算出される項目があります。受取利息は多い方が良く、支払利息は少ない方が良いという項目です。決算書を見ると、雑収入の中に受取利息が混ざってしまっていることがあります。これでは受取利息として正しく計算をしてもらえないので、実態よりも低い点数が算出されます。内訳書までしっかり確認し、もし雑収入の中に受取利息が入ってしまっているなら、振り替える必要があります。

 

├原価の中に原価ではないものが入っていませんか?

財務諸表の中の損益計算書には、様々な「利益」が出てきます。売上総利益、営業利益、経常利益、税引前純利益、そして純利益です。最後の純利益に注目される方が多いと思いますが、経審では純利益を直接評価する項目はありません。

 

売上総利益、営業利益、経常利益は点数に影響してくる項目です。

 

売上総利益は売上から原価を引いたもの。売上をより大きく、原価をより小さくした方が売上総利益は高くなります。とある経費を原価とするか、一般管理費とするかについて、純利益のことだけを考えるならば、どちらに入れても最後の利益は同じなので大した問題ではありません。しかし、経審では、売上総利益はより高くしたいので、原価でないものは原価から省きたいのです。

 

これは、営業利益、経常利益にも同じことが言えます。入ってくるお金はより上に、出ていくお金はより下に、というのが点数を上げていくための建設業会計にのっとった財務諸表を作る鉄則です。もちろん実態反映が絶対ですので、原価であるものを一般管理費に入れるようなことは絶対ダメです。ただ、原価ではないものが原価に入っているケースは多いので、一度見直してみることをお勧めします。

 

 

 

以上、点数を上げようと思ったらまずチェックする、基本的な5つのポイントをご紹介しました。

ブリジアスでは、これまでの申請内容を拝見し、上記のようなチェックポイントを中心に取り組むポイントをご提案させていただきます。

 

 


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