格付はどうやって決まるか
各自治体などの入札参加資格を得ると、会社ごとの格付が決まります。格付はA~Cの3段階や、A~Dの4段階、ABの2段階など、様々です。
この格付は何のためにあるのかというと、入札できる工事の規模を決めるためです。
例えば、横浜市の土木工事について見てみましょう。
横浜市格付(土木)平成31・32年度用
格付 | 格付点数 | 発注標準金額 |
A | 1,010点以上 | 1億2,000万円以上 |
B | 820点以上1,010点未満 | 2,500万円以上1億2,000万円未満 |
C | 820点未満 | 2,500万円未満 |
格付がCの会社は2,500万円未満の工事にのみ入札ができる、Aの会社は1億2,000万円以上の工事に入札ができる、といったように、どの格付にいるかによりチャレンジできる工事の規模が変わってきます。
ということは、公共工事が経営の主体となっている会社様にとって、どの格付になるかということは非常に大切なことなのでは!?ということになりますが、その通り、非常に重要なことなのです。
この格付点数は、以下のように決まります。
格付の点数=経審点+主観点 |
経審点は、正に経審を受けた時に評価される点数です。
では主観点とは何でしょうか?
主観点とは何か
これは、各自治体等が独自に定めている評価点数のことです。公共工事の成績や若手技術者の数など、様々な項目があります。
自治体等によって何を項目にしているかが異なりますので、主に入札をされたい自治体等の主観点の算出方法を把握し、点数をコントロールすることが必要です。
横浜市の主観点はどうやって決まるか
評価項目と計算式を見てみましょう。
発注者別評価点(主観点)(Ms)の算出式 Ms=C(R-65)+α C 過去4年間の工種別の年間平均請負実績金額について、下記の表により求める数値
R 過去4年間の工種別の平均工事成績
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これだけ見るとちょっとややこしい感じがしますが、一つひとつ当てはめていくと算出できます。
前提として、過去4年間の横浜市発注工事の契約額と工事成績を正しく把握しておく必要があります。
計算される期間はいつからいつまでか
計算の過程で悩むのが、「過去4年間」「過去2年間」がいつからいつまでか、ということです。
これは、資格審査結果通知日の前々月末日から過去4年/過去2年です。
契約だけはこの期間内に行っているが工事成績(工事完成)はまだ、あるいは逆に、契約はこの期間内に収まっていないが工事成績は出ている、という場合には、期間内に入っている方だけ算入します。
主観点アップを実践!
建設業労働災害防止協会への加入
5点の加点がつきます。
いわゆる「建災防(けんさいぼう)」と呼ばれており、労働災害防止のための活動を行っている協会です。
多くの自治体の主観点、総合評価点、工事成績の評価項目になっており、加入している会社様はとても多いです。
下記URLより入会のご案内が見られます。
>>建災防【入会のご案内】
「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」及び「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」の策定及び届出
5点の加点がつきます。
事業主が、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備、女性が活躍できる雇用環境・労働条件の整備などに取り組むに当たって、計画期間、目標、目標を達成するための対策の内容と実施時期を具体的に盛り込み策定するものです。労働基準監督署に届出を行います。
>>厚生労働省【女性活躍推進法特集ページ】
>>厚生労働省【次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画について】
年間平均請負実績金額
過去4年間において、横浜市と締結した工事の金額をまとめ、平均額を出しましょう。
工種別の平均工事成績
過去4年間に通知を受けた、横浜市発注工事の工事成績の平均値を出しましょう。
主観点シミュレーションの難しさ
格付点数は変動する可能性があります。横浜市も2年度ごとに、工種によっては変更が生じています。(ABCの3等級だったものが2等級になったり、点数のボーダーが約40点上がったりなど)
そして、入札参加資格の定期申請をする時点では、新しい年度の格付点数は明らかにされていません。そのため、定期申請では完璧にはシミュレーションできないということが、この主観点を考える時の難しさです。
ブリジアスでは、横浜市入札参加資格の主観点についてもシミュレーションを行っています。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。