入札参加資格は自治体や省庁ごとに取得します。入札参加資格はその名の通り「入札に参加する資格」ですが、この資格を得るための要件があります。どの自治体・省庁にもほとんど共通する要件のご紹介と、横浜市の要件を解説します。
ほとんどの団体で共通する入札参加資格要件
どの自治体や省庁でも定められている要件は以下の4つです。
▼申請する工種・細目に対応した建設業許可を有している ▼登録を希望する工種の経審を受け、総合評定値を通知されている ▼住民税や消費税などを滞納していない ▼必要な社会保険に加入している |
この他の要件は自治体や省庁ごとに定めることができ、それぞれ独特のルールを持っています。
横浜市ちょっと独特な要件
その中でも横浜市はちょっと独特。そしてとても気を付けていただくべき2つのことがあります。
1.希望する種目に対応する経審の完工高があること
以下、手引きより抜粋です。
登録希望の工種について、建設業法で定める経営事項審査を受け、有効な経営規模等評価結果と総合評定値を通知されていること。ただし、経審は入札参加資格審査の申請日において有効かつ最新のものに限る。また、登録希望の工種に対応する建設業について、経審の「経営規模等評価結果通知書及び総合評定値通知書」の「完成工事高」欄に完成工事高が計上されていること(上水道を除く。) |
どういうことかといいますと、希望する工種に対応する許可業種の経審の完成工事高が上がっていないといけないよ、ということです。
例えば横浜市で[土木工事/一般土木工事]という工種・細目の入札参加資格を得るためには、土木の経審を受けている必要があります。そして、経審結果通知の土木の欄に完成工事高が計上されている必要があります。ここがゼロになっていると要件を満たさないため、希望工種・細目の参加資格を得ることができません。
経審の完成工事高は2年または3年平均のいずれかを選択して申請します。
メインとしている業種であれば毎年必ず完工高が上がると思いますが、「サブ業種だけれども入札参加資格を維持する必要がある業種」ですと、たまたま2期あるいは3期の間にその業種の工事の施工が無く完工高が無い!ということが起きます。
経審を受ける際に、横浜市の参加資格を持っている業種について完工高が上がっているのか確認をする必要があります。
もっと言えば、経審を受ける時に完工高が無いとなっても既にその期は終了しており、遅いです。決算期が終わった瞬間から次の決算までに行うべきこと(「〇〇工事の完成工事高が必要だから積極的に工事を取ろう!」といった認識)を明確にしておく必要があります。
2.最高実績に縛られる
以下、手引きより抜粋です。
登録を希望する工種について、最高額の請負実績を確認するために提出を求めます。この実績は、横浜市工事請負に関する競争入札取扱要綱第 25 条第1項第9号により、個々の入札における審査対象となります。工事が共同企業体による施工の場合は、出資比率で按分します。 【横浜市工事請負に関する競争入札取扱要綱第 25 条第1項第9号(いわゆる元下実績)について】 当該工事と同工種の工事に関する最高請負実績額(落札候補(予定)者通知書の送付日時点で登録されている実績額)が、次のいずれかを満たしていれば要件を満たします。 ア 同工種の工事に関する元請最高請負実績額が、発注する工事の工事費の6割以上 イ 同工種の工事に関する下請最高請負実績額が、発注する工事の工事費の8割以上 |
なかなか難しい感じで書いておりますが、横浜市に登録している同種工事の最高実績によって、いくらまでの横浜市発注工事の契約ができるかが変わる、ということです。
仮に横浜市の工事費が1億円の場合、元請なら6,000万円以上、下請なら8,000万円以上の最高請負実績の事前登録が必要ということです。
この最高実績が無くてもその他の条件が合えば入札できてしまうのですが、いざ落札候補者になった後に適切な最高実績がなかった場合には契約に至ることができません。
最高請負実績額は工事の落札候補者通知書の送付日時点における登録額で判断されます。
今いくらの最高実績を登録していて、いくらまでの工事の契約ができるのかを常に把握しておくことが重要です。また、最高実績が更新された場合にはすぐに変更届を出しておきましょう。
ブリジアスでお手伝いできること
横浜市の入札参加資格維持のために経審の段階から、次の決算も見据えたアドバイスを行います。
最高請負実績の変更届も承っています。