入札制度は自治体ごとにそれぞれの基準がありますが、今回は茅ヶ崎市が発注する公共工事の入札制度について解説します。
入札参加資格申請と格付け
かながわ電子入札共同システムは、神奈川県・県内28市町村・県内広域水道企業団が共同で運営する入札に関するシステムですが、茅ヶ崎市はこの参加団体の一つです。
かながわ電子入札共同システムで入札参加資格申請を行うと入札参加資格が認定されますが、格付けされる(ランクが付く)工事の業種は「土木一式工事」「舗装工事」「建築一式工事」の3業種となっています。
茅ヶ崎市独自の主観点数制度は無く、経営事項審査(経審)の評点により格付けが行われます。
茅ヶ崎市内建設業者への優先発注
茅ヶ崎市は、地元経済の発展や持続可能な地域社会の実現を目指し、地域の雇用確保・市内企業の育成を目的として、茅ヶ崎市内建設業者への優先発注を行っています。
技術的に難易度の高い工事で市内建設業者のみでは対応できないときや、競争性が確保されないようなときは、準市内・県内・県外の建設業者に対象が広がります。
また、市内経済の活性化と市内企業の育成のため、茅ヶ崎市発注工事を受注した建設業者に対して、その工事の施工に関して下請発注する場合は、できる限り市内建設業者を活用するよう求めています。
社会貢献企業を対象にした工事
茅ヶ崎市では、一般競争入札でも地域社会に貢献(社会貢献)した建設業者を対象にした公共工事が発注されることがあります。対象は5,000万円未満の建設工事となっています。
入札の参加要件となる社会貢献は次のいずれかで、案件ごとに定められます。
1.災害協定の締結
災害時などの地域貢献として、茅ヶ崎市と災害時の応急措置に関する協定を締結していること(所属している団体が協定を締結している場合も含む)
2.優秀工事の施工実績
茅ヶ崎市発注工事のうち、過去3年度以内に完成した500万円以上の工事で工事成績評定点が80点以上の工事実績を有していること
総合評価落札方式
品質を高めるための新技術を取り入れて施工するなど、価格以外のことも含めて評価するのが総合評価落札方式の入札です。茅ヶ崎市では現在、1,000万円以上の工事で簡易型のタイプが試行されています。
評価項目は大きく分けると、
①企業の施工能力
②配置技術者の能力
③企業の社会性等
の3つがあり、それぞれに複数の配点項目があります。
令和2年度からは③に、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録状況の有無が追加され、事業者として登録をしていると評価されるようになりました。
行政書士法人ブリジアスは、神奈川県内全域の建設業者様のサポートをしております。次回の格付けに向けたご希望がある方はぜひご相談ください。
経審の申請や入札参加資格の申請はもちろんのこと、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録や経審点アップの取り組みについても最大限ご支援いたします。