2023.8.3
審査基準日が令和5年7月1日以降の経審申請で、技術職員の加点対象が拡大されます。
対象者は?
拡大となる対象を見ていきます。
対象者その1
1級の第1次検定合格者(技士補) または 第2次検定合格者(技士)で、対応する建設業の種類について合格後3年の実務経験がある者
対象者その2
2級の第1次検定合格者(技士補) または 第2次検定合格者(技士)で、対応する建設業の種類について合格後5年の実務経験がある者
表にすると以下の通りとなります。
技士、技士補の分類に加えて実務経験の有る・無しで変わり、有資格区分には「11H」などアルファベットも登場。かなり複雑になってきました。
1級土木施工管理技士でも3年の実務経験があれば、1級土木施工管理技士では対応していなかった業種(左、屋、タ、筋、防、絶、井、清)の加点にすることができる、というのが特に複雑なところですね。
改正の背景
実務経験による技術者資格の要件が見直しとなったためです。
>>詳しくはこちらの記事で解説しています。
つまり、技術検定合格者=指定学科卒業者と同等とみなす、という変更です。
土木施工管理技士の合格者は、土木工学の指定学科卒とみなされますので、土木工学に関する学科を指定学科としていた許可業種のうち、指定建設業を除く業種も対象になりました。土木施工管理技士の合格と土木工学の卒業が同等になったので、土木工学を指定学科とするこれら業種(左、屋、タ、筋、防、絶、井、清)も加点対象になった、ということです。
神奈川県の手引きより抜粋しています。
なお、指定建設業(土、建、舗、鋼、管、電、造)と電気通信工事業を除くため、「土、鋼、舗」は1級土木施工管理技士補+3年の実務経験があっても、その他(1点)の加点にはなりません。ただし、主任技術者要件を満たし、かつ、一級土木施工管理技士補であれば、監理技術者補佐となるため、4点の級区分になります。
具体例で見てみよう
複雑になるので表で見てみます。
土木・防水・水道の経審を受けているとします。
このように、
・技士なのか、技士補なのか
・(技士補だとして)主任技術者要件は満たしているのか
・その業種の実務経験はあるか
によって点数とコードが変わります。経審では1人の技術職員につき2業種までしか選べないので、自社にとってどの業種をあげたいのか、狙う格付や点数によって、検討していく必要があります。
もし上の表のケースで、1級土木施工管理技士だった場合、優先したいのが土木と水道なら当然土木と水道の2業種を選択しますが、防水を優先したいとなった場合には、例えば土木と防水を選ぶというケースも出てくると思います。この場合、土木や水道を選ぶよりも加点幅は小さくなりますが、それでもその業種を優先したい、といったこともあるでしょう。
加点対象が広がったことは嬉しいことなのですが、より複雑化しました。
何の資格を持っているか、どの業種で何年の実務経験があるか、どの業種を優先させたいか
この組み合わせで慎重に選択していく必要があります。