専門工事会社の施工能力を評価するための【施工能力等見える化評価制度】ができました。「下請会社のための経審(経営事項審査)」とも言われているこの制度について、解説します。
施工能力等見える化評価基準とは
専門工事業者のために新設された制度です。
建設キャリアアップシステムの事業者情報に蓄積された建設業許可に関する情報、財務状況等、社会保険加入状況等の情報、建設技能者の人数等の情報を評価します。具体的には専門工事団体ごとにこの評価基準が設けられます。
評価は☆から☆☆☆☆までの4段階となります。
この制度の根本には、見える化評価制度によって、より高い評価を得た専門工事会社が選ばれる仕組みを作っていこう、という考えがあります。
どう生かされているか
そのような制度趣旨から考えますと、この【施工能力等見える化評価制度】は今後、このような場面で活用されていくのではないかと考えます。
- 元請会社が専門工事会社を選定する際に、よりランクの高い会社を選ぶ
- 現場に入る専門工事会社の要件として〇ランク以上などの設定がされる
- 求職活動中の技能者が、各専門工事会社のランクを選ぶ基準として確認するようになる
評価基準
下記のような項目について審査されます。
- 建設業許可の有無
- 許可を保有してからの年数
- 資本金
- 完成工事高
- 建設キャリアアップカードの保有者数
- 建設キャリアアップのレベル3以上の方の割合
- 平均勤続年数
- コンプライアンス遵守状況 など
部分的には経審に近い内容も含まれています。
また、このように評価基準が明らかになっていますので、より上位ランクの認定を得るための取り組みも可能です。
建設キャリアアップとの関係
評価項目となる内容については、建設キャリアアップシステムの登録内容と連動して審査されることになっています。また、建設キャリアアップカードの保有者数、レベル3以上の技能者の割合なども評価されます。
元々は現場の技能者様のための制度である建設キャリアアップシステムですが、これまでは客観的に示すことが難しかった技能者様一人ひとりが持つ資格や実務経験がシステムに登録・蓄積されていきます。そのことが実際にキャリアアップカードのレベルアップにも結び付き、対外的に技能者としての能力を示すことができるようになりました。
そして今回、この【施工能力等見える化評価基準】では、キャリアアップシステムとも連動しながら、企業の施工能力に関する情報を示すことができるようになります。
申請を行うにあたり、建設キャリアアップシステムへの登録は必須となりますので、登録がお済でない方はご確認ください。弊所でも承っています。